農村部は欧州連合の領土の77%以上を占めており、そのうち47%は耕作地、30%は森林となっています。チェコ共和国の大きな農場から、キプロスやマルタの小さな農場まで、欧州連合の国々における農村と農業形態は非常に多様です。
何世紀にもわたって、農業は、自然環境と相まって美しい田園風景を創り出してきました。農地開発は、モザイク状の森林や湿地帯、広大で開放的な自然など、多様性に富んだ土地や住宅地の開発を積極的に推し進めてきました。農村部は新規事業の立ち上げに適しています。また、家族で定住するための魅力的な場所になりつつあります。観光とレジャーを扱う企業が次々と農村部で事業を興しています。
環境の豊かさと農法の結びつきは複雑です。ヨーロッパの貴重な動植物の生息地の多くは、広範な農業によって維持されています。しかし、不適切な農法や土地利用は、土壌、水、大気汚染、生息地の分断や野生動物の損失などの天然資源にも悪影響を及ぼす可能性があります。
欧州連合の農業は、単一かつ共通の農業政策によって管理されています。この政策により、すべての加盟国で農業を行うためのフレームワークと基本的なルールが設定されています。共通農業政策(CAP)は1962年に開始されました。この政策は、農業部門と社会、ヨーロッパと農家をつないでいます。共通農業政策の原則は、環境に関する要件に準拠し、環境と景観全体を保護する農法の開発を促進しています。農家は、農村の維持および環境の保護において、継続的かつ積極的な役割を果たすことが奨励されています。これは、農業環境プログラムなど、環境的に持続可能な農法を促進する農村開発対策への援助を対象とすることで達成されます。一方、環境規制を遵守しない生産者には、CAPからの財政支援を減らすことで制裁を加えています。
CAPは、すべてのEU諸国に適用される共通政策です。欧州連合の予算から欧州レベルで管理・運営されています。